配偶者居住権とは

日本は世界一の超高齢化社会です。

総人口に占める65歳以上の高齢者は28%以上になっています。

出生率も年々減ってきています。

 

現在の日本において高齢夫婦の一方が亡くなり、残された配偶者が快適に余生を過ごすためには、住み慣れた生活環境を維持していくことが重要になります。

 

住み慣れた生活環境を維持するには、夫婦で生活してきた自宅の確保と今後の生活費の確保が必要になります。

 

これまでは、配偶者が自宅を確保する方法は

① 自宅の所有権を相続する

② 自宅を相続した者から借りる(賃貸借契約を結ぶ)しかありません。

①の場合、自宅の評価が高くなり、他の相続財産(金銭)を取得できないことがある。

②の場合、契約なので相手方の了解を得なければなりません。

これでは、残された配偶者の居住するところが確保されない可能性があります。

 

今回の改正により配偶者に自宅を使用収益する権限のみを認める「配偶者居住権」の制度を創設しました。

これにより、自宅の所有権を取得しなくても、これまでどおり住み続けることができます。

また、配偶者居住権の評価は低く、他の相続財産の取得も可能になります。

 

  •  配偶者居住権の成立要件

① 配偶者が相続開始時に被相続人所有(名義)の自宅(建物)に居住していることが必要。

② 配偶者居住権を取得させる旨の遺産分割、遺贈(遺言による贈与)又は死因贈与がされたことが必要。

  •  配偶者居住権の存続期間

原則:配偶者が亡くなるまで認められる。

例外:遺産分割等で期間を定めることもできます。

今後の対策としては、

1.配偶者居住権の「配偶者」とは、婚姻届けを提出している法律上の配偶者を指します。内縁関係は含まれないので、配偶者居住権を取得するのは、婚姻届けを提出しておく必要があります。

2.建物が被相続人の名義になっていない場合(何代にも渡って相続登記されていない)は、きちんと被相続人名義にしておく必要があります。

3.その上で、配偶者に配偶者居住権を与える旨の遺言書を書いておくのがいい。

4.被相続人名義の建物に居住していたことが条件になるので、生活実績があるように住民票なども建物所在地にある方がいい。